キリスト教の引き起こす暗黒時代

ヨーロッパ文明から読み解くエホバの証人

キリスト教の引き起こす中世ヨーロッパの暗黒時代

ひたすらに厳しい「最後の審判」

さて、前記事の続きだが、最後の審判とは要するに裁判である。

この場合の裁判とは罪があるか否かを決めるものなので、民事でなく刑事裁判だ。
よって、少なくとも裁判官・被告人・罪状・判決という要素は必要だ。

最後の審判を裁判制度に当てはめると以下のとおりとなる。

裁判官…イエス・キリスト。
被告人…あらゆる人間。生死を問わない。
罪状…原罪。これが裁判で罰有りになるかナシになるかが争点。
判決…有罪か無罪のいずれか。有罪なら永遠の責め苦。

このとき有罪になると投げ込まれるのが「ゲヘナ」であり、死ぬこともできずに永遠の炎で焼かれ続ける。

余談だが、ここでカトリックが明らかに聖書に書いていない教えを作り出してしまったのが、「煉獄」という教義だ。

ここはゲヘナに比べると弱火で、炙り続けることで罪が次第に蒸発し、救いに相応しい状態になることができる。
そうなったところで復活して裁きを受けると、赦される確率が上がる。

そんなこと、どこをどう探したって聖書からは見つけられない。

最後の審判に怯えた中世ヨーロッパの人々

ともかく、そんなわけのわからない教義を考えてしまうほど最後の審判とは厳しい。

だから人々は自分が救われるかどうかが大変気になる。
であれば、普通に暮らすのでなくてひたすら祈って身を清く保てば救われやすいんではないか、と考える。

宗教的行為というのはとかく非生産的なものだ。
考えてみてほしいのだが、明日から日本国民全員が一日中祈るような生活を初めてしまったら、たちまちにしてこの国は没落するだろう。

中世ヨーロッパでは、まさにそれが起きたと言って良い。

無論、今日のように資本主義経済が世界を回すような時代ではなかったにせよ、
社会的なリソースをすべて教会やら修道院やらといった非生産的な施設につぎこんでしまったものだから、
当然ながら経済は恐ろしい停滞ぶりを見せた。

かくして、中世ヨーロッパには暗黒時代が訪れた。
経済成長の全くない時代が実に1000年以上も続くこととなったのだ。

信仰ゆえに停滞したエホバの証人

それと同様、今まさにエホバの証人は暗黒時代に突入している。

清く正しい生き方をしないと滅ぼされてしまうのが怖いから、できるだけ神に祈ってばかりいたい。
ものみの塔では祈るというより伝道をひたすら行い続けるよう指導しているわけだ。

本来なら社会で生きる者として個人的リソースを教育や勤労に充てるべきところ、
それを全て宗教活動につぎこむようになる。

しかも自発的でなく、指導者からの教義という形で行わされているところが非常に良くない。

信者の配偶者の収入が積極的に組織運営資金に充てられていたり、
信者自身が社会的地位も収入もあったような時代はまだ良いのだが、

その子どもたちは生まれながらに全てを宗教活動につぎこむ生活を余儀なくされた結果、
低学歴で低収入が普通となる。

そんな人間ばかりになると当然、組織活動も停滞する。

停滞どころか低質化・悪質化するエホバの証人

低学歴ゆえに無教育で無教養だと、聖書を理解できないばかりか自分で考えることもできず、
与えられる情報を鵜呑みにすることしかできない。

社会的にも宗教的にも情報弱者である。
ましてや布教活動などしても効果は上がらない。

猿は人間を教えられないのだ。

また、同じ理由で社会的規範意識が欠如した人間が多数生まれてしまう。
閉鎖的コミュニティの中しか見えていないそのような人間は必ずトラブルを起こす。

平信徒がそうであるのはまだしも、いわゆる「特権」というものを手にした人間は簡単に犯罪行為や私刑を行う。

エホバの証人の本拠地である米国では日本の倍ほどの歴史があり
(明石順三氏による灯台社を除けば、日本での布教開始は1949年から)、

信者の多くは2世以降が占め、1世はむしろ少数派であり、現状として既に上記のような状態になっている。

米国は日本では考えられないレベルの貧困者や不法移民がおり、地域による差や人種差別も激しい。
目も当てられない惨状を呈している会衆が山ほどあることだろう。

そのような「信者」に与える教えは、猿でも分かるレベルに低下していかざるを得ない。
いや、もうそうなっていると言ってよい。
基本的教育レベルが総じて高い日本人は、容易にこのことに気づいて良いはずなのだ。

日本では(少なくともほとんどが日本人で構成される会衆では)そこまで各人の質の低下が起きる可能性は今後も低いだろうが、
全体的な傾向としては確実に米国の後を追うだろう。

何よりこの教えを疑いなく信じ続けるような頭の持ち主ばかりが教団内に残ることになるので、
一般社会との差はますます埋めがたいものになっていく。

家族親族のしがらみやコミュニティを失う怖さで組織にしがみつく人間は、欲望や不満のはけ口をどこに求めることになるか。

そうした歪みの表出が、例えばキャンディス・コンティ裁判のような形なのだろう。

このようなことはいずれ日本でも必ず起きる。
事件そのものが起きるという意味ではない。

それはもう起きている。
社会的に表面化するか否かの問題だ。

(※)2019年9月の記事移設に際し、改題しました。

堕落前の「純粋なクリスチャン会衆」とは

ものみの塔は、イエスの教えを直接的に引き継いだ使徒たちによって立ち上げられた
「1世紀のクリスチャン会衆」を、神に用いられた唯一の経路であったとし、

自らはその時代の信仰を純粋に復活させたが故に、
やはり「神の用いる唯一の組織」であると自称している。

では実際のところ、「1世紀のクリスチャン会衆」とはどのような状態だったのだろうか。

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